【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:メタプラ、M&A総研、川重

メタプラネット<3350>が大量の買い注文に2日連続となるストップ高に張り付く異彩人気となっている。同社株は前週20日から22日にかけて3日連続ストップ高に買われた後、前週末23日こそ急反落したものの、週明けから再び投資資金による買い攻勢が先鋭化している。トランプ米政権下で4月下旬以降ビットコイン価格の上昇が再び顕著となっており、前週22日には11万1000ドル台まで駆け上がり最高値を更新した。その後ビットコイン価格は上昇一服局面にあるものの、高値圏でなお頑強な動きを示している。そうしたなか26日にはトランプ米大統領のメディア企業であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)が、ビットコインなどの暗号資産向けに、約30億ドルの資金調達を計画していると英フィナンシャル・タイムズが関係筋の情報として伝えたことから、同社株をはじめ関連株人気を後押しする格好となった。
■M&A総研 <9552> 1,437円 +87 円 (+6.4%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
M&A総研ホールディングス<9552>が大幅続伸しているほか、日本M&Aセンターホールディングス<2127>、M&Aキャピタルパートナーズ<6080>、ストライク<6196>などM&A関連が買われている。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「企業がM&A(合併・買収)する際、『のれん』の償却を定期的にしない会計処理を認める制度変更の動きが出てきた」と報じられたことが好材料視されている。ここでいう「のれん」とは、企業が持つブランド力や技術力などの無形資産の価値のことで、M&A時の買収額のうち、買収価格と純資産の時価との差額として計上されるもの。日本の会計基準では定期償却を原則としてきたが、記事によると、首相の諮問機関である規制改革会議がのれんの会計処理について「非償却」または「非償却か償却の選択制」に変えることを答申で提起し、企業会計基準委員会(ASBJ)に検討を要請するという。これにより会計上の負担が軽くなり、M&Aが活発化するとの思惑から、関連銘柄が物色されているようだ。
■川崎重工業 <7012> 9,939円 +428 円 (+4.5%) 11:30現在
川崎重工業<7012>がプライム市場で断トツの売買代金をこなし大幅続伸。同社株は前日も全市場を通して売買代金首位となるなど、ここ活況高の様相をみせており、上場来高値を形成した3月18日以来の1万円大台復帰が意識されている。三菱重工業<7011>やIHI<7013>と並ぶ防衛関連株の主力に位置付けられており注目度が高い。防衛関連はトランプ関税などの影響を受けにくいグローバルなテーマとして注目されており、前日の欧州株市場でもドイツの防衛関連大手として注目されるラインメタルが3%高に買われ、全体相場を牽引した。米国では防衛向けビッグデータ解析のパランティアテクノロジーズ<PLTR>が最高値近辺で頑強な値動きを示し、昨年2月以降、直近までで株価は約8倍化し話題となった。川重は防衛省案件では潜水艦を三菱重と交互受注の形で高実績を誇る。このほか、直近では26日に大成建設<1801>や東亜建設工業<1885>と日本水素エネルギー(JSE・東京都港区)の液化水素サプライチェーン構築に向けた商用化実証で、建設工事に着手したことを発表しており、これも株価の刺激材料となっているもようだ。
■あい ホールディングス <3076> 2,320円 +90 円 (+4.0%) 11:30現在
あい ホールディングス<3076>が大幅高で3連騰。年初来高値を更新した。同社は26日の取引終了後、25年6月期の連結業績予想の修正を発表。最終利益予想は従来の見通しから35億円増額して213億500万円(前期比35.9%増)に引き上げており、好感されたようだ。ナカヨ<6715>が6月17日付で完全子会社となることに伴い、公開買い付けによる取得価額とナカヨの純資産の差額として負ののれんが発生。これを特別利益として計上する。売上高と営業利益、経常利益の見通しは据え置いている。
■キユーピー <2809> 3,369円 +126 円 (+3.9%) 11:30現在
キユーピー<2809>が4日続伸している。26日の取引終了後に家庭用調味料と素材食品の一部商品の計118品目を値上げすると発表しており、好材料視されている。対象となるのはマヨネーズ類やドレッシング類、「サラダクラブ」などの素材食品や介護食などで、価格改定率は約4~18%を予定する。鶏卵をはじめさまざまな原材料価格、包材費、加工費、人件費などの上昇が続くなか、企業努力だけでコスト上昇分を吸収することは極めて困難であるとして値上げを判断した。なお、調味料、素材食品は9月1日出荷分から、介護食は10月1日出荷分から値上げを実施する。
■PAコンサル <4071> 2,048円 +52 円 (+2.6%) 11:30現在
プラスアルファ・コンサルティング<4071>が4日続伸している。この日の寄り前に、SaaS型テキストマイニング(大量のテキストデータから有益な情報を取り出すこと)ツール「見える化エンジン」に、生成AIを活用した「応対トレーニング機能」を新規搭載したと発表しており、好材料視されている。今回リリースする「応対トレーニング機能」は生成AIを活用し、見える化エンジンに蓄積された通話記録やアンケートなどのデータに基づいてペルソナを設定し、実際の顧客応対に近い環境を想定したロールプレイングを行うもの。また、ペルソナ設定を多様化することで、実際の顧客に対して試すことが難しい対応方法を安全な環境で実践することができ、カスハラ対応のトレーニングも可能という。同機能によりオペレーターの心理的な負担を軽減し、カスハラへの対策とオペレーターの離職率低減に貢献するとしている。
■ラクスル <4384> 1,204円 +21 円 (+1.8%) 11:30現在
ラクスル<4384>が続伸している。26日の取引終了後、オリジナル手提げ紙袋の製造・販売を手掛ける丸玉工業(岐阜県岐阜市)及び障害者就労支援事業を行う丸玉ウェル(岐阜県岐阜市)の全株式を8月1日付で取得し子会社化すると発表しており、好材料視されている。今回の子会社化により、調達プラットフォーム事業の梱包材領域における主要カテゴリであるダンボールと顧客親和性の高い、手提げ紙袋領域の製造及び販売機能を強化するほか、丸玉工業の強みの一つである障害者就労支援事業の丸玉ウェルでの経験と実績を背景とした、製造業務オペレーションの標準化や細やかな対応力などのノウハウを獲得するのが狙い。取得価額は非開示。なお、同件による25年7月期業績への影響はないとしている。
■ダイナマップ <336A> 1,291円 +6 円 (+0.5%) 11:30現在
ダイナミックマッププラットフォーム<336A>が続伸している。27日、高速道路や自動車専用道路、主要幹線道路に関する3次元点群データを閲覧できるサブスクリプションサービス「3Dmapspocket」について、機能アップデートを実施したと発表。ユーザーインターフェイス(UI)の大幅刷新とともに、英語表示の選択機能も追加したという。今後のサービス拡大を期待した買いを集めたようだ。現在は国内のユーザーが中心だが、顧客のグローバル化に備えて英語での表示機能を実装した。インフラ管理や交通事故調査、ドローンなど自律移動型のモビリティサービスといった幅広い分野でのユーザーの拡大につなげる。
■ニッパツ <5991> 1,577円 +1.5 円 (+0.1%) 11:30現在
ニッパツ<5991>が反発している。26日の取引終了後、インドに新工場を建設すると発表したことが好材料視されている。インド国内の自動車生産台数が年々増加する見通しであり、自動車用懸架ばねの需要も拡大が予想されていることから、今後の需要増に対応するのが目的。インド子会社NHKスプリングインディア社の3拠点目となる新工場を西インドのマハラシュトラ州オーランガバードに建設するという。投資額は約20億円。27年の生産開始を目指している。
■楽天グループ <4755> 799.1円 -14.5 円 (-1.8%) 11:30現在
楽天グループ<4755>が売り買い交錯、上値抵抗ラインとして意識されている25日移動平均線を巡る攻防に。同社が日本郵便と連携して政府備蓄米の販売に乗り出すとの一部報道でコメ高騰対策関連の一角としてマーケットの視線を集めている。6月上旬にも販売開始を目指す方針とされ、同社の株価動向にも思惑が漂う。コメ価格高騰への対策に関しては、今月23日に同社の三木谷浩史会長兼社長と小泉進次郎農水相が面会し、備蓄米販売開始に向けた流通体制の確保に向けて期待が寄せられていた経緯がある。
■パルHD <2726> 3,740円 -50 円 (-1.3%) 11:30現在
パルグループホールディングス<2726>は反落している。26日の取引終了後に発表した4月度の月次売上概況で、既存店全店(小売店+ネット通販)売上高が前年同月比0.3%減となり、2カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気されている。EC販売はパルクロウィークでの販売が好調で2ケタ増となったものの、前年と比べて気温が低かったため店頭での初夏物の動きが鈍く小幅ながらマイナスとなった。
■フーディソン <7114> 857円 +97 円 (+12.8%) 11:30現在
26日に発表した「6.17%を上限に自社株買いを実施」が買い材料。
発行済み株式数(自社株を除く)の6.17%にあたる28万株(金額で2億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は5月27日から26年2月27日まで。
■ダイトーケミックス <4366> 701円 +52 円 (+8.0%) 11:30現在
ダイトーケミックス<4366>が大幅続伸し、1月31日につけた年初来高値715円にツラ合わせ。26日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表したことが好感されている。投資単位を引き下げることで株式の流動性を高めるとともに、投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。
■アイフィスジャパン <7833> 584円 +25 円 (+4.5%) 11:30現在
アイフィスジャパン<7833>がカイ気配スタートで急動意、500円台半ばのもみ合いを上放れ新値街道に突入した。金融や投資に関する情報サービスの提供を行っており、堅調なネット証券向けコンテンツ開発などが収益貢献し、25年12月期は売上高・利益ともに2ケタ成長が予想されており、営業利益は前期比14%増の7億7000万円を見込んでいる。好業績を背景に株主還元も強化する方針にあり、26日取引終了後に今期年間配当の大幅増額修正を発表、従来計画の21円50銭に10円上乗せし31円50銭とすることを発表した。配当利回りは前日終値換算で5.6%に跳ね上がる。これを材料視する形でインカムゲイン狙いの買いを呼び込んでいる。
■I-ne <4933> 1,682円 +66 円 (+4.1%) 11:30現在
I-ne<4933>は続伸。26日取引終了後、9月26日に臨時株主総会を開催すると発表した。取締役(監査等委員を除く)1人の選任に関する議案を付議する。候補者は回転ずしチェーン「スシロー」を運営するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>前社長の水留浩一氏。同氏の取締役起用について会社側は、既存事業の更なる成長や海外事業展開を含む新領域への助言と経営監督機能を期待できると考え、中期経営計画達成に不可欠と判断したという。これが材料視されているようだ。
●ストップ高銘柄
エスクリ <2196> 327円 +80 円 (+32.4%) ストップ高 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース