【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):メタプラ、ミガロHD、M&A総研

メタプラネット<3350>が2日連続ストップ高。同社株は前週20日から22日にかけて3日連続ストップ高に買われた後、前週末23日こそ急反落したものの、週明けから再び投資資金による買い攻勢が先鋭化している。トランプ米政権下で4月下旬以降ビットコイン価格の上昇が再び顕著となっており、前週22日には11万1000ドル台まで駆け上がり最高値を更新した。その後ビットコイン価格は上昇一服局面にあるものの、高値圏でなお頑強な動きを示している。そうしたなか26日にはトランプ米大統領のメディア企業であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)が、ビットコインなどの暗号資産向けに、約30億ドルの資金調達を計画していると英フィナンシャル・タイムズが関係筋の情報として伝えたことから、同社株をはじめ関連株人気を後押しする格好となった。
■ミガロホールディングス <5535> 2,598円 +164 円 (+6.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
ミガロホールディングス<5535>が後場上げ幅を拡大。午前11時30分ごろ、子会社DXYZがホテルへのチェックイン後の滞在中に顔認証で入退室できる新サービス「FreeiDホテル」の提供を開始すると発表しており、好材料視された。DXYZの顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」が、U-NEXT HOLDINGS<9418>傘下のUSEN-ALMEXが提供するセルフチェックインシステム「KIOSK」と連携。ホテルの共用部から全客室にいたるまで、滞在中にルームキーを持たずに顔認証で利用・入室が可能となる。なお、同サービスは5月23日に開業した、常石グループ(広島県福山市)が運営するホテル兼社員寮を兼ね備えた複合施設である「せとのおか」に採用されている。
■I-ne <4933> 1,716円 +100 円 (+6.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
I-ne<4933>は続伸。26日取引終了後、9月26日に臨時株主総会を開催すると発表した。取締役(監査等委員を除く)1人の選任に関する議案を付議する。候補者は回転ずしチェーン「スシロー」を運営するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>前社長の水留浩一氏。同氏の取締役起用について会社側は、既存事業の更なる成長や海外事業展開を含む新領域への助言と経営監督機能を期待できると考え、中期経営計画達成に不可欠と判断したという。これが材料視されたようだ。
■M&A総研 <9552> 1,425円 +75 円 (+5.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
M&A総研ホールディングス<9552>が大幅続伸したほか、日本M&Aセンターホールディングス<2127>、M&Aキャピタルパートナーズ<6080>、ストライク<6196>などM&A関連が買われた。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「企業がM&A(合併・買収)する際、『のれん』の償却を定期的にしない会計処理を認める制度変更の動きが出てきた」と報じられたことが好材料視された。ここでいう「のれん」とは、企業が持つブランド力や技術力などの無形資産の価値のことで、M&A時の買収額のうち、買収価格と純資産の時価との差額として計上されるもの。日本の会計基準では定期償却を原則としてきたが、記事によると、首相の諮問機関である規制改革会議がのれんの会計処理について「非償却」または「非償却か償却の選択制」に変えることを答申で提起し、企業会計基準委員会(ASBJ)に検討を要請するという。これにより会計上の負担が軽くなり、M&Aが活発化するとの思惑から、関連銘柄が物色されたようだ。
■川崎重工業 <7012> 9,949円 +438 円 (+4.6%) 本日終値
川崎重工業<7012>がプライム市場で断トツの売買代金をこなし大幅続伸。同社株は前日も全市場を通して売買代金首位となるなど、ここ活況高の様相をみせており、2000年以降の最高値を形成した3月18日以来の1万円大台復帰が意識されている。三菱重工業<7011>やIHI<7013>と並ぶ防衛関連株の主力に位置付けられており注目度が高い。防衛関連はトランプ関税などの影響を受けにくいグローバルなテーマとして注目されており、前日の欧州株市場でもドイツの防衛関連大手として注目されるラインメタルが3%高に買われ、全体相場を牽引した。米国では防衛向けビッグデータ解析のパランティアテクノロジーズ<PLTR>が最高値近辺で頑強な値動きを示し、昨年2月以降、直近までで株価は約8倍化し話題となった。川重は防衛省案件では潜水艦を三菱重と交互受注の形で高実績を誇る。このほか、直近では26日に大成建設<1801>や東亜建設工業<1885>と日本水素エネルギー(JSE・東京都港区)の液化水素サプライチェーン構築に向けた商用化実証で、建設工事に着手したことを発表しており、これも株価の刺激材料となっているもようだ。
■キユーピー <2809> 3,386円 +143 円 (+4.4%) 本日終値
キユーピー<2809>が4日続伸26日の取引終了後に家庭用調味料と素材食品の一部商品の計118品目を値上げすると発表しており、好材料視された。対象となるのはマヨネーズ類やドレッシング類、「サラダクラブ」などの素材食品や介護食などで、価格改定率は約4~18%を予定する。鶏卵をはじめさまざまな原材料価格、包材費、加工費、人件費などの上昇が続くなか、企業努力だけでコスト上昇分を吸収することは極めて困難であるとして値上げを判断した。なお、調味料、素材食品は9月1日出荷分から、介護食は10月1日出荷分から値上げを実施する。
■ラクスル <4384> 1,218円 +35 円 (+3.0%) 本日終値
ラクスル<4384>が続伸。26日の取引終了後、オリジナル手提げ紙袋の製造・販売を手掛ける丸玉工業(岐阜県岐阜市)及び障害者就労支援事業を行う丸玉ウェル(岐阜県岐阜市)の全株式を8月1日付で取得し子会社化すると発表しており、好材料視された。今回の子会社化により、調達プラットフォーム事業の梱包材領域における主要カテゴリであるダンボールと顧客親和性の高い、手提げ紙袋領域の製造及び販売機能を強化するほか、丸玉工業の強みの一つである障害者就労支援事業の丸玉ウェルでの経験と実績を背景とした、製造業務オペレーションの標準化や細やかな対応力などのノウハウを獲得するのが狙い。取得価額は非開示。なお、同件による25年7月期業績への影響はないとしている。
■PAコンサル <4071> 2,054円 +58 円 (+2.9%) 本日終値
プラスアルファ・コンサルティング<4071>が4日続伸。この日の寄り前に、SaaS型テキストマイニング(大量のテキストデータから有益な情報を取り出すこと)ツール「見える化エンジン」に、生成AIを活用した「応対トレーニング機能」を新規搭載したと発表しており、好材料視された。今回リリースする「応対トレーニング機能」は生成AIを活用し、見える化エンジンに蓄積された通話記録やアンケートなどのデータに基づいてペルソナを設定し、実際の顧客応対に近い環境を想定したロールプレイングを行うもの。また、ペルソナ設定を多様化することで、実際の顧客に対して試すことが難しい対応方法を安全な環境で実践することができ、カスハラ対応のトレーニングも可能という。同機能によりオペレーターの心理的な負担を軽減し、カスハラへの対策とオペレーターの離職率低減に貢献するとしている。
■あい ホールディングス <3076> 2,292円 +62 円 (+2.8%) 本日終値
あい ホールディングス<3076>が大幅高で3連騰。年初来高値を更新した。同社は26日の取引終了後、25年6月期の連結業績予想の修正を発表。最終利益予想は従来の見通しから35億円増額して213億500万円(前期比35.9%増)に引き上げており、好感されたようだ。ナカヨ<6715>が6月17日付で完全子会社となることに伴い、公開買い付けによる取得価額とナカヨの純資産の差額として負ののれんが発生。これを特別利益として計上する。売上高と営業利益、経常利益の見通しは据え置いている。
■新コスモス電機 <6824> 2,500円 +65 円 (+2.7%) 本日終値
新コスモス電機<6824>がしっかり。この日、世界初の家庭用電池式水素警報器「HL-310」を開発したと発表しており、好材料視された。近年ヨーロッパでは、家庭用のコンロや暖房、電力貯蔵に水素を活用する動きがある。水素は空気より軽いため漏えいしてもすぐに拡散する傾向があるが、空気中の爆発範囲が広く、可燃性ガスの中でも爆発や火災が発生しやすいガスとされる。そのため、家庭で水素を使用するにあたり安全対策が必須であることから、長年培ったガスセンサ技術、ガス警報器開発のノウハウを生かして、世界初となる家庭用電池式水素警報器を開発したという。なお同製品は、スコットランドとイングランド南部で天然ガスとグリーンガスの流通ネットワークを管理しているイギリス・SGN社の水素プロジェクト「H100 Fife」に採用されている。
株探ニュース